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アルテミス(サイト4攻防<後編>) [SF]

---<前回までのあらすじ>---

防衛省特殊部隊参謀の吉田大佐指示による特命隊員6名は、18:00に防衛省特殊部隊
の一室に集まり、種子島研究所からの情報入手を確認しヘリで種子島へ出発した。
一方、種子島研究所のサイト4では、防衛省からの侵入者に対して、監視体制を強化
していた。

---<サイト4攻防(後編)>---

サイト4・セキュリティー監視室では、情報収集衛星から種子島全体の赤外線映像
とサーモグラフィーを駆使して、島内全域の監視と各地に設置した監視カメラによ
り島内で動いているもの全てを認識していた。
無論、サイト4メンバーに貼り付けているチップによる研究員とその家族について
も監視対象としている。

---防衛省ヘリ---

防衛省を飛び立ったヘリは、20:00には、種子島北部の海岸線に着陸した。
柴田少佐一人を残し残り5名は、徐所に研究所に向かって進行を開始した。

---サイト4・監視室---

20:00、警報ランプが、種子島北部で点滅した。

「佐藤、ついに来たな」

「西条、お前の彼女が、手に取るように判る。チップのおかげだな」

「進入物、撃退用のレーザーは、弱めにセットしているよな」

「そこは、抜かりがないよ。何せ、情報を持って帰って貰わなくてはいけないし」

「それにしても、動きが早いな」

「ま、お手並み拝見としますか。西条さん」

「あまり、イヤミは言うなよ」

---サイト1空気ダクト---

レイラは、防衛省で入手見取り図は、頭に入れていたが、図面が作成された時点
からの時間経過を考えると、参考程度にしかならないが、無いよりはましだった。
研究所に近づくにつれて、動物の気配が感じられない。
その時、1匹の子鼠が、排気ダクトの方に走って行くと、一瞬閃光が走り、鼠の
泣き声と同時に機械音がした。
「キィー・・・ ウィーン」

月の光に照らされた監視カメラのレンズが光るのが、見えた。

・・・結構、セキュリティが厳しそうだ。・・・

レイラは、そこら辺に落ちていた石を手に持ち子鼠の走った方向へ、投げてみた。

しかし、監視カメラはビクともしない。

今度は、小石を手で暖めて投げてみると。監視カメラが獲物を追いかけて、レーザー
を発射した。

・・・レイラは、不思議に思えた、ここの、監視カメラは、サーモ感知を使っている。
様だが、何故、我々に気づかないのか。もしかして、監視範囲が限定されているのかも
しれない・・・

レイラは、小石を2,3個拾い暖めた後、排気ダクトの2m手前に石を投げた。
監視カメラは、動かない。

今度は、1m50cm、反応なし。では、1m。すると即座に反応した。

監視範囲は排気ダクトから半径1mと見て、後は、反応速度だが。

暖めた石を反対側に投げて、次に石を投げた時の反応時間を測定した。

石を投げて、レーザー発射まで2秒、その後手前に投げると前回のレーザー発射から
3秒。

・・・ということは、2個の石を使って、遠くに1個なげ、レーザー発射後監視カメラ
近くへ1個投げ、その隙3秒間に排気ダクトに入るしかない。しかし、排気ダクト内に
レーザー装置でもあるとアウトである。小石を一つダクトに投げ入れてみた。特に反応
は、なかった。一か八か、突入してみるしかない・・・

レイラは、他のメンバーに排気ダクト潜入方法を教え、最初に突入して行った。

「ビンゴ!」レイラは、心のなかで叫んだ。
上手く行った。後は、残りのメンバーが来るまでに奥の状態を確認しに行った。

ダクト内は、監視装置らしきものは、見当たらなかった。
後から来た、メンバーへ、状況を伝えて排気ダクトを伝い研究室通路までたどり着いた。

「筒井少佐、思った程セキュリティーは高くなさそうだ」

「竹下少佐らしくも有りませんね。簡単そうに見せて実は、堅牢な場合が有りますから」

「確かにそうだが、この通路を見る限りそんなに堅牢とは、思えない。とりあえず降りる
準備をしよう」

ダクトの吸い込み口を空け、古典的だが、紐を垂らして振ってみた。特に反応がない。
今度は、床に紐を落としたが、これにも反応がない。ここで、身軽な竹下少佐が、ゆっくり
と通路に下りた。
警報も鳴らず。特に問題なさそうなので、全員通路に下りた。

全員揃った所で、壁伝いにメインコンピュータ室に進んでいく。その時、指先に遂げの様な
ものが、一瞬刺さったが、特に身体の変調は、ないので無視をして。そのまま進んでいった。

---サイト4コントロール室---

通路で採取した侵入者の血液サンプルでのDNA鑑定により、侵入者が、

 ・武器火薬のプロ:飯野真少佐
 ・システムアナライズのプロ:山下昇少佐、筒井麗螺少佐
 ・セキュリティシステムのプロ:竹下祐樹少佐、高杉徹少佐

で有ることを判別していた。

「西条さん、貴方の作ったシステムは、さすがですね。しかし、防衛省は、セキュリティー
が、甘いですね。こんなに、個人情報が筒抜けなのですから」

「手塚さん、そこはそれ、灯台下暗しですよ」

「それでは、サイト4警備隊にサイト1からサイト4に防衛省の潜入者が侵入しないように
おとり行動を依頼します」

「手塚所長、よろしくお願いします」

「西条さん、貴方のお知り合いより内の警備隊のほうが、有能ですからご心配なく」

サイト4警備隊隊長の眞鍋悟は、10名の部下と共に初期研究室のサイト1へ移動して、
防衛省からの侵入者へ情報提供が無事終了できるようにセキュリティシステムのコントロール
を始めた。
サイト1とサイト4の連絡通路は、全て遮断、サイト1のセキュリティーレベルを初期段階
まで、下げた。
ただし、監視カメラとサーモセンサーだけは、稼働させ侵入者が他の通路に行かないか監視
を始めた。

---サイト1研究室通路---

「筒井少佐、研究情報のコンピュータ室は、突き当たりの右にある扉だったかな」

「山下少佐、あの図面が有っていれば、その扉です」

扉の前で、山本防衛大臣のコップから採取した指紋を指紋認証装置にかざすと、すんなり
扉が開いた。

山下少佐は、余にも簡単すぎ、余計警戒していた。

「筒井少佐、セキュリティーが甘すぎないか」

「外の監視装置でシャットアウト出来ると考えて、内部は甘くしているのかもしれません」

「それを、願うね」

山下少佐は、コンピュータ室のモニター画面を見ながら、地熱発電技術、マグマへのゴミ投棄技術、
二酸化炭素削減技術に関するデータベースへアナライズを始めた。
キィーボードを操作するといきなりPasswardを要求してきた。

「筒井少佐、このPasswardは何だと思う」

「ここは、単純にアルテミス”Artemis”では、ないですか」

「では、早速たたいてみよう」

「ビンゴだね!」

「本当にこんなに簡単に覗けるものか・・・」

「とにかく情報をコピーしましょう」

「このシステムは、ビジュアル的で判りやすい。まずは、地熱発電技術と~」
「後は、マグマへのゴミ投棄と二酸化炭素削減・・・」

「これで、一応依頼されたものは、入手できたが、セキュリティー監視システムがどうも気になる
これも、頂いて行くか」

・・・この時点でセキュリティー監視システム技術内にレーザー光線の最新技術が紛れ込んでいた。
ただ、この技術を実現するには、セキュリティー監視システム技術情報だけでは、実現不可能だが
マグマへのゴミ投棄技術との融合で可能となる事を憶測できる人間は、サイト4のメンバー以外、
通常の科学者では、考えつかない事も事実であった。・・・

防衛省特命部隊6名は、サイト1を脱出し無事ヘリに到着した。

---03:30、防衛省特殊部隊会議室---

吉田大佐以下、7名はサイト1から持ち帰った情報の解析準備にかかった。

--- つづく


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